【コラム】カクタル社長のつれづれ日記 第6回
広瀬 光哉( 株式会社カクタル 代表取締役社長 )
2022年4月1日(金)

どんな時も、笑顔と明るい表情で

前回は新人時代のガムシャラな活動からの気付きについて書き、「営業の基礎作りには営業活動の量を増やすことが必要」と書きました。今回は、そんな新人営業時代から2年、3年と経験を積み始めた頃の営業の教訓について書きたいと思います。

来てくださいと頼まれての訪問ではないので、「訪問しても断られるのが当たり前」と覚悟して、どんな時でも笑顔で接することはマストです。全く悪気がないとしても、不愛想な表情は最悪です。 表情は明るく、笑顔で営業しなければいけません。 中には、「人付き合いが苦手」と顔に書いてあるような新人営業がいます。緊張から表情がこわばっているのかも知れませんが、まずは嫌みのない笑顔を作りましょう。

感じの良い笑顔をものにするためには、周りの人に自分の表情の変化を見てもらい、感想を聞きながら訓練するべきだと思います。お客様が手を休めて少しでも話を聞いてくれたこと、少しでも時間を割いてくれたことへの感謝を心で念じて、表情を作るべきです。こうした心の持ち方の訓練で、自然に笑顔が作れるようになると思います。

第一印象をよくする努力を

次に、第一印象をどうやったらよくできるか、好感を持ってもらって次回の余韻を残すにはどうしたらいいかを考えましょう。営業である限り、身だしなみは非常に大事なポイントです。 お客様の貴重な時間をいただき、高額な経費のかかる商品の購入を検討していただくのですから、営業も身だしなみに時間とお金を使うべきです。私の持論ですが、ワイシャツはお小遣いが減ったとしても絶対クリーニングに出し、 ズボンの折り目をしっかり付け、靴も磨いて清潔感を全面に出すべきです。 髪型もちゃんと気を使っていると思われる髪型にして、とにかくバリッとするべきです。

悲しいかな、初対面もしくはまだ浅いお付き合いの中での人間関係なので、その人の本当の人格は見えず、身だしなみで判断されてしまうのは致し方ないことです。 かつ、面談の相手が女性の場合は、不潔感があったら絶対に話は進まないと思います。口が臭い、体がたばこ臭い、なんか服装がだらしない、スーツとネクタイがヨレヨレ、ではだめです。 決して高級品で身を固めろと言っているわけではありません。清潔感があればよいのです。 逆に「いかにもブランド物で身を固めています」とわかるのは、安っぽいと思います。

優秀で信頼できる営業であることを演出

第一印象をよくする努力が体に染みついたら、次は優秀な、信頼できる、誠実な営業であることを演出すべきです。相手の話をよく聞き、宿題を預かったら必ずお応えする。時間厳守は当たり前です。 聞いたことはメモして、誠意ある回答を持っていきます。これを繰り返していくことで、だんだんに打ち解けてきて、徐々に心を開いていただけると思います。

最初は、どんな小さいこと、面倒なことでも気持ちよく引き受けて対応しましょう。 やってみてできなかったら、調べてもわからなかったら、それも隠さず、誠意持って報告しましょう。それが信頼関係を築くことになると思います。これが、なかなかできないことなのです。

自慢話になってしまいますが、営業3年目の頃の経験をお話しします。
他社からの入れ替えを検討中の食品業界のお客様で、オフコンを受注したくて何度も通いました。 笑顔や第一印象をよくすることを忘れずに通い、周りの方々からキーマンが専務様であることを聞き出すことに成功しました。ところが、その専務様はいつ行っても席にいません。競合他社の営業とは違うことをアピールするため、訪問の度に回数を名刺に書き、ぜひお会いしたい旨も書いて訪問を続けました。
その後、やっとお会いできた時に「君が名刺に回数を書いている営業か」と言われ、じっくりとお話を聞くチャンスをいただけました。その後、自社の総力を結集し、他社から入れ替えのシステム受注をいただきました。
年の暮れに、その会社の年間営業を表彰する式に呼ばれました。席について、表彰される方々に一生懸命拍手をしていたら、いきなり私の名前が呼ばれました。 なんと、最後に「他社の営業ではあるが、社内に爽やかな風を送り込んでくれた」ということで、「爽やか特別賞」のサプライズ表彰をしていただいたのです。 社内の人間でもないのに表彰されたことに驚き、営業というのは肝の商談時だけでなく、 キーマン以外の方々と会っている時も大事なんだなあと痛感しました。
常に訪問先の会社の空気を大事にして、周りの人にも好感を持ってもらうことの大切さがよくわかり、すばらしい体験になりました。

日々、あらゆることで第一印象を磨く努力と行動をしていけば、それがいずれ習慣となり、習慣となれば人格となり、人生が変わります。ぜひ、毎日の努力を続けてください。

活動量の大事さを知って営業の基礎ができ、第一印象を磨いて競合相手との印象の差別化ができたら、次は売り上げです。第7回のコラムでは、どうしたら安定して売れる営業になれるかについて書きたいと思います。

趣味のゴルフでは、いかに力を抜くかの練習をタオルでやっています。人生も肩の力を抜かないと!です。

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