【コラム】三月ウサギのDX談義 第3回
2024年1月18日

新しい年になりました。「2024年も順調に成長を」「干支の龍に因んで今年こそ飛躍を」と、自社の目標、自身の目標を見据えて、やるべきことを考えている方も多いと思います。その目標達成のために大きな力となるのが「DX推進」ではないでしょうか。

「DX推進、大事なのはわかっている」「でも、どこから手をつけいいかわからない」という声も聞きますが、行動しなければ何も始まりません。
今年は、DX推進についてコンサルタントに相談することを考えてみませんか。

DXコンサルティングに躊躇するのはなぜ?

【理由1】相談する前にやるべきことが多すぎる

そもそもDXコンサルタントとは、何をする人でしょうか。企業が新しいデジタル技術を活用して企業活動の変革を図りたいと考えた時に、その変革をサポートする役割を果たすのがDXコンサルタントです。
ということは、「どういうデジタル技術を使って、どういう風に変革したいのか」というプランがないとDXコンサルタントには相談しにくいことになりますね。つまり、相談するにしても準備が必要で、その準備ができていないことが、躊躇につながっていることが考えられます。

【理由2】DXコンサルタントの選び方がわからない

「DXコンサルタントをどうやって選んだらいいかわからない」「信用できないのではないか」「高い金額を吹っかけられるのではないか」という心配もあると思います。
しかし、これはDXコンサルタントに限ったことではありません。医者や歯医者を選ぶ時も、仕事の取引先を選ぶ時も、ある程度の試行錯誤をし、時には失敗を経てから選んでいると思います。DXコンサルタントについても、とりあえず良さそうと思ったところに声をかけてみる、無料コンサルを利用してみるなど、試行錯誤する覚悟は必要だと思います。

【理由3】相談した時に、自分の知識不足が露呈するのがイヤだ

DXについてはいろいろな専門用語があり、似たような略語がありで、わからないことが沢山あります。相談者は経営者クラスが多いでしょうから、「これまで人の上に立って部下を率いてきた身としては、DXコンサルタントと話をして、基礎知識も知らないとは思われたくない」というプライドがあるかもしれません。
しかし、相手はDXのプロなのですから、知識差がなくては困ります。さらに、相談者のプライドはポジティブなエネルギーになると思います。わからなければ勉強しようという気になり、どんどん知識が身につくからです。

DX推進が早ければ早いほど、競争力は高まる

DX推進は企業の最重要課題であり、早ければ早いほど企業の競争力は高まると言われています。しかし、本格的にDX推進を実施している企業は、まだまだ多くないというのが実情です。

情報処理推進機構(IPA)が2023年2月に発表した「IPA白書2023」によると、日本でDXに取り組んでいる企業は69.3%です。しかし、「全社戦略に基づいて取り組んでいる企業」に絞ると、54.2%と約半数になります。業種別にみると、DXの取り組みが進んでいるのは金融業、保険業、情報通信業です。製造業については、取り組んでいない企業が3割近くあります。
従業員別にみると、従業員規模が「1001人以上」の企業でDXに取り組んでいる割合は94.8%と高くなっていますが、従業員規模が「100人以下」の企業では40%に満たず、中小企業でDXの取り組みが進んでいないことがわかります。

ということは、「まだ遅くはない」ということであり、「早く取り組む決心をしなければ、どんどん競争力を失う」ということです。2024年の年明けを契機に、DX推進に本腰を入れて取り組んでみてはいかがでしょう。

中小企業がDXコンサルティングを受けるメリットは大きい

中小企業がDXコンサルティングを受けるメリットは大きいと思います。DX推進に取り組むためには「DXを使って何をやりたいか」という目標を定めることが重要ですが、コンサルティングを受けてからの情報整理や意思決定は、経営層の人数が少ない方が迅速にできると思うからです。

「何から手をつけていいかわからない」という場合も、外部のコンサルタントの意見を聞くことには意味があります。なぜなら、新しい視点が入ることで、手をつけるべき道筋が見えてくるからです。

皆さんのお家では、自動で床をキレイにしてくれるお掃除ロボットをお使いでしょうか。人気の「ルンバ」は2013年に日本での累計出荷台数が100万台を突破したそうです。私の友人もルンバを愛用していますが、彼女が最初に感じたルンバ効果は、「床がキレイになる」ことではなく、「家族が床に物を置かなくなった」ことでした。ルンバが引っかかりがちだったフロアスタンドのコードもまとめられ、ルンバが動いていない時でも、居間がすっきり見えるようになったそうです。つまり、新しい機械が家庭に入ってきたことで、家族皆がその機械が動きやすいように周りを片付けたことが一番のメリットだったわけです。

もう一つ、食器洗浄機の例をお話ししましょう。弟夫婦が買ったマンションの台所には大型の食洗機が付いていました。共働きの二人が最初に食洗機を使って気づいたのは、食器が不揃いだと使いにくいということでした。そこで二人は、お気に入りの大型食器やインパクトのある形の食器はワンポイントで使い、メインで使う食器の大きさは揃えることにしました。これも、新しい機械が入ったことで、仕事のやり方が変わった例です。

私は、DXコンサルタントの意見またはアドバイスは、ルンバや食洗機と同じ効果を上げると思います。つまり、「こうしたらどうか」というアドバイスに対して、アドバイスを受けた側は「それをスムーズに行うにはどうしたらいいか」「仕事をどう変えたらいいか」と、新しい視点で物事を見ることができるようになります。そして、実際に仕事の流れを変えることに着手します。この頭の整理、発想の切り替えができることが、コンサルティングを受ける大きなメリットだと思います。

思い立ったが吉日と言います。「DXコンサルティング、役に立つかも」と思ったら、動いてみませんか。相談するつもりで、それまでにやるべきこと、話したいことを紙にまとめて整理するだけでも、発見があるかもしれません。無料・お試しコンサルをやっているところも多数あり、多少費用がかかっても、頭の整理代、DXコンサルの見極め代と思えば納得できるのではないでしょうか。今年が、皆さんがやりたいことにチャレンジする行動の年になることを願っています。

お正月龍も登るカクテル
三月ウサギは寒さに弱いのですが、新年を寿ぐカクテルからエネルギーをもらいました。2024年を良い年にしたいですね。