「確たる意志を持って、日本のものづくりを支えたい」を企業理念に、株式会社カクタルが誕生して約半年になろうとしています。そこで、1回目のコラムを始めるにあたり、あらためて、私がなぜ「生産管理コンシェルジュ」という肩書きで仕事を始めようと思ったのか、お話ししたいと思います。

なぜ、「生産管理コンシェルジュ」になろうと思ったのか

私は前職で、製造業の生産管理システムを実稼働に導くコンサルタントの仕事をしていました。そこで、生産管理システムをうまく活用できていない企業の実態を数多く見てきました。一社一社の問題と向き合い、なんとかできないかと奮闘努力した35年間でした。すべての問題を解決できたわけではありません。今思えば「あの時の自分にもっと経験があれば、もっとうまく対応できた」と思う点も多いのです。

前職では自前のソフトを持って、自社で開発・販売・サポートまでしていましたので、どうしても自社製品の枠組みに縛られてしまっていました。
収支を考えると、小規模の製造業にも踏み込めませんでした。「日本のものづくりを支えている小規模製造業をサポートしたい」という熱い思いはありましたが、愛の手(笑)を差し伸べられないでいました。そこで、定年をきっかけに、小規模製造業を支える仕事を自分たちで始めることにしました。そして、お客様により身近に感じていただき、お客様が求めるサービスをなんでも提供できる「生産管理コンシェルジュ」として仕事をしようと思ったのです。

今後このコラムでは、私が経験から学んだ生産管理ソフト導入のコツや、経営者・システム担当者に呼びかけたいこと、改めて私自身が感じていることについて書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

合わないソフトを使うのは、大きな不幸です

製造業の経営者・システム担当者の方に考えていただきたいことがあります。現在使っている生産管理ソフトは、あなたの会社に合っているでしょうか。こんな質問をするのは、以下のような事情があったからです。

流通業の場合は「アパレル向け」「食品卸向け」「鋼材卸向け」と、早くから業種別にソフトがつくられていました。しかし、製造業だけは、全部の製造業向けに生産管理ソフトが一つしか存在しない時期が長くありました。電気機械を繰返し作っている組立業向けのソフトが一番早く普及したため、この業種向けの生産管理ソフトが、スタンダードとして世の中を席巻したのです。

しかし、当然ですが、自動車部品を作っているところや工場の機械設備を作っているところ、また食品を作っているところには合わないわけです。でも、自社の業種向け生産管理ソフトは存在しなかったので、しかたなく、それを直して(カスタマイズ)使っていたのです。はじめから合っていないソフトを使うなんて、不幸ではありませんか。ソフトというのは、カスタマイズ(修正)すればするほど、費用もかかるし、不具合も多くなります。いいことが何もない行為なのですが、そうせざるを得なかったのです。

最近は製造業も業種別に作られたソフトが大分そろってきましたので、上述のようなことは少なくなっています。しかし、現在に至っても、未だに同じ不幸を繰り返している会社を見かけることがあります。私はそれが残念でならないのです。お使いの生産管理ソフトはあなたの業種に本当に合っていますか? ぜひ、確認してみてください。

家飲みの友(^_^)。 このクラフトビール本当に美味しいです。なぜかマルエツにしか置いてません。