【コラム】三月ウサギのDX談義 第9回
2025年2月25日
ロケット打ち上げで注目されたQRコード
先日インターネットを見ていたら、2月3日の読売新聞オンラインの記事に「H3ロケット先端にQRコード、『なぜ』『初めて見た』 SNSで話題…」という見出しの記事がありました。
記事の内容は、2月2日午後に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた内閣府の測位衛星「みちびき」6号機の先端部にQRコードが印字されていて、「なぜロケットにQRコードが?」とSNSで話題になっているというものでした。
前回のコラムでQRコードについて書いたので、少し調べてみました。まず、「HRロケットとは何か?」から。「そこから調べるのか」というという声も聞こえてきそうですが、ロケットの知識のない三月ウサギとしては、ここからスタートです。
H3ロケットはエイチ・スリー・ロケットと読み、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発した液体燃料ロケット。これまでに先進レーダー衛星や通信衛星などの打ち上げに成功しています。2月2日には、このH3ロケットによって「準天頂衛星みちびき6号機」が打ち上げられました。
この衛星が格納された「フェアリング」と呼ばれるロケット先端部の保護カバー表面に、大きなQRコードが印字されていたので、打ち上げの写真やニュースを見た人たちの注目を集めたようです。
準天頂衛星みちびきはGPSを補う衛星測位サービス
次の疑問は、「準天頂衛星みちびきとは何か?」ということですが、「みちびき」は位置情報を提供する役割を担った衛星だそうです。地上から見たら真上に当たる「準天頂」から位置情報の入った信号を送ることで、山間部など、GPSなどの測位情報が届きにくいエリアの位置情報の精度を上げることができます。
現在「みちびき」は4機が稼働中で、今回の6号機は夏に運用を開始。そして、今年中に2機を打ち上げて7機体制になる予定で、7機になると、米国のGPSなど他の国の測位衛星のデータがなくても日本独自に高精度な位置情報を取得できるようになるそうです。
QRコードは、注目を集め、知名度を上げる手段だった
このように、「みちびき」は私たちの生活や産業に欠かせない日本各地の位置情報を安定して提供するという重要な役割を担っているわけです。しかし、「みちびき」の知名度は低く、こうした役割を担っていることを知っている人も少ないので、なんとか知名度を上げたいと考えた手段がQRコードだったようです。
ロケットに印字されたQRコードを開くと、みちびきの機能や活用事例などがまとめられた内閣府の特設サイトに誘導される仕組みになっていました。QRコードは、もともと「追加情報のあるサイトに誘導する」という程度の役割しかに担えないので、DXとは別の範疇に入ると思いますし、打ち上げ時の映像や写真を見て、QRコードから内閣府のサイトに行った人はそれほど多くないと思います。ですから、今回は、SNSで「なんだ、あれ?」と注目されて、ニュースになっただけで、内閣府の「PR戦略は成功」ということでしょう。
新聞記事によると、QRコードを仕掛けた担当者は「みちびきを2機続けて打ち上げる今年は、PRの勝負時。みちびきをもっと多くの人に知ってもらいたい」と言っているそうなので、次の打ち上げにはどんな仕掛けがあるか楽しみです。
