各部門のプロジェクトメンバーに導入目的の周知徹底を

生産管理システムの導入が決定すると、まず、「フィットギャップ分析」という導入コンサルティングを受けることが多いと思います。

これは、導入するパッケージソフトを自社の業務フローに適合していくための下準備で、パッケージが提供する機能の中で業務に適合する部分(フィット)と適合しない部分(ギャップ)を調査・分析します。適合しない部分については、追加開発やカスタマイズを考えたり、業務フローの変更を検討したりします。

この導入コンサルティングの初めに、「導入の目的の確認」が行われます。生産管理システムの導入プロジェクトは、生産管理部門だけではなく、営業部門、業務部門、購買部門、製造部門、品質管理部門、出荷部門等、多くの部門にまたがることが多いため、各部門の代表に集まっていただき、このプロジェクトメンバーに経営者から「導入の目的や狙い」を伝えます。

これは、今後のプロジェクト推進のためにとても大切なプロセスなのですが、ここで明確な目的が伝えきれていないと、この後に開始する「システムの適合性を確認するプロセス=フィットギャップ分析」で、大きな課題が発生します。

導入目的から乖離したギャップは予算オーバーの元

よく発生するのが、各部門が導入目的に関係ない自部門の問題点を洗い出し、採用した生産管理システムで適合できない点(ギャップ)を羅列してしまうことです。

例えば、「在庫の見える化と削減」が目的であるのに、「部門で慣習的に作成してきた管理帳票を自動的に出力できるようにしたい」という要望が、これに当たります。
中には大事な内容も含まれていますが、当初の導入目的から乖離してしまうと別途にプログラムの作成が必要になることも多く、費用が増える原因となります。これらが部門ごと積み重なったために、「当初の見積予算の2倍になってしまった」などという話は、本当によく耳にすることなのです。

このように、プロジェクトの開始時に、いきなりボタン掛け違いが発生してしまうことは避けなくてはなりません。予算通りに生産管理システムを導入する第一歩は、「導入目的を明確すること」「その目的をプロジェクトメンバーに周知徹底すること」なのです。

先日参加したハーフマラソンの完走証
2年ぶりのハーフマラソン大会、ようやく、少しずつ日常が戻ってきました。腰と膝が痛くならない走り方で無事完走できました(笑)